オペアンプの基本を理解
オペアンプを知るには回路を読むのが一番です。が、市販のオペアンプICの回路は(データシートに等価回路が載っているものは結構あります)さまざまな工夫があって一般人にはわかりづらいのも確かです。
そこでディスクリート素子を用いてオペアンプの基本を理解してみましょう。
ずばりたった3石オペアンプがこれです。トランジスタは小信号用でかまいません。厳密には差動増幅部は熱結合させたり、素子のバランスをとったりしなくてはなりませんが、あくまでも原理の理解なので適当でかまいません。
ブレッドボードなどでかまいません。この回路を組んでみてください。試しにSPICEで回路を組んでみました。この3石オペアンプは特徴として差動アンプの入力段、出力アンプから成ることが一目でわかります。

上の回路図はコンパレータとして機能させるために、帰還なし、反転・非反転入力に電圧源をつないでみました。
右端の8.2kの抵抗は負荷抵抗です。どの程度の出力インピーダンスがあるのかをみるためにつけてみました。この回路でINV入力を5V固定とし、POS入力を−10V〜10Vまで変化させると(DC解析)

このようになります。5Vを境にして出力が反転するのがわかります。すなわちコンパレータ(比較器)として働いているわけです。出力インピーダンスは、出力がHiのとき約9.5Vなので、9.5/12=8.2/(8.2+Rout)
から
Rout=2.2kΩ
となっており、結構高いことがわかります(コレクタの負荷抵抗そのままですが)。
この回路は正帰還も負帰還もかけていませんでしたので、今度は負帰還をかけてみます

出力から反転入力端子に20kオームで負帰還をかけました。信号は反転入力端子に1Vppの正弦波を入力しています。このときの出力は(過渡解析)
このように位相が反転し、振幅が2倍となっています。すなわち反転増幅器となっています。
つぎに非反転増幅器としてみましょう。

非反転増幅器そのものです。結果は(過渡解析)

期待通りの結果となりました。
つまり、(普通の)オペアンプとは
回路であるといえます。実際には増幅度を大きくするために入力段と出力段の間に増幅段を設けたりといった回路がはいることが多いようです。
これを踏まえて実際のオペアンプの回路をみてみましょう。下図はμPC812の内部等価回路です。すでにだいぶ簡略化されていますが、この方がわかりやすいので都合がよいでしょう。このオペアンプは入力がJFETですが、トランジスタ入力でも同じことです。

入力段
Q1,Q2による差動増幅器であることが見て取れます。
また負荷がトランジスタによるカレントミラー(Q3,Q4)となっており、増幅率を稼ごうとしていることがわかります。
出力ドライバ段
Q5,Q8のダーリントン接続による出力段のドライバ回路が構成されています。
出力段
Q9,Q10のシングルエンドプッシュプルの出力段で、出力の低インピーダンス化をねらっています。また、Q6,Q7のダイオードで出力トランジスタのバイアスを決定しているようです。
C1は内部位相補正コンデンサで、これのおかげでオペアンプはとっても使いやすくなっています(全帰還で安定)。
実際には出力段の保護回路や場合によっては温度による保護、などなどが付加された構成になっているものと思われますが、概要はこれでわかると思います。